農業共済新聞記事バックナンバー
「放牧牛の生乳でノンホモ牛乳 製造・販売を実現」
【石巻市】石巻市三輪田で酪農業を営む「茂木家ファクトリー」では、2024年夏から休止していたノンホモ牛乳の製造・販売を今年4月に再開。県内唯一のノンホモ牛乳がまた飲めると、復活を待ちわびたファンから喜びの声が上がっている。
ノンホモ牛乳は、ホモジナイズ処理(脂肪球を細かく均一化する処理)を省いて作る牛乳。大小の脂肪球が残るため、乳脂肪分が分離しやすくなるが、味わいは生乳に近くなる。
加熱殺菌処理では、一般的な牛乳は120~150度で2~3秒殺菌するが、加熱による風味の変化を少なくするため、63~65度の低温で約30分殺菌し、味わいを生かしている。
今までは、低温で長時間殺菌ができる工房を持っておらず、製造を外部委託していた。飼養する乳牛20頭のうち9頭を上品山(じょうぼんさん)の中腹で通年放牧しているため「放牧牛の生乳から、自分たちの手でノンホモ牛乳を作りたかった」と茂木梨恵さん(49)は振り返る。
昨年末から、クラウドファンディングなどで資金の一部を調達し、自宅脇に低温殺菌機などを完備した牛乳殺菌工房を開設。同時に乳処理業の営業許可も取得し、今春、夢を実現させた。
ノンホモ牛乳は、ストレスの少ない環境から生まれる高脂肪の生乳と、その風味を生かすノンホモ処理、低温長時間の殺菌で、一般的な牛乳よりも爽やかな喉越しと後味になった。「復活を待っていた人たちから『また飲めることがうれしい』と喜んでもらえた」と梨恵さん。販売する市内の道の駅やスーパーでも、売り切れることが多い人気商品だ。
今後は「全頭放牧しニーズに応えられる乳量を確保したい。ハード系のチーズも作ってみたい」と目を輝かせる。(松川紀美夫)
▽茂木家ファクトリー=080(8451)6288


