農業共済新聞記事バックナンバー
「桃生茶を次代へ・茶葉や菓子など独自ブランド展開」
【石巻市】石巻市桃生町の「鹿島茶園」は、400年前に始まった「桃生茶」の栽培を復活させ、およそ半世紀になる。同茶園の3代目・佐々木浩(こう)さん(62)は、市内の日本茶専門店「お茶のあさひ園」の和紅茶開発に協力し、完成した和紅茶「kitaha(キタハ)」は「G20大阪サミット2019」「G7広島サミット2023」の両サミットで各国首脳に提供された。
「ペットボトル化や世界的な抹茶ブームなど、お茶のニーズも変わっている」と佐々木さん。「次代に継ぐため、まず今の時代に残らなくては」と2017年から和紅茶開発に向けた茶葉の出荷を始めた。
あさひ園では「大震災後の石巻を明るくする話題がほしかった」と和紅茶に取り組んだきっかけを説明。国産紅茶の先駆者である故・村松二六(にろく)さんに「鹿島茶園の環境は紅茶に適している」と認められたことから、製造を開始した。
鹿島茶園は、北上川の西岸にある標高70㍍ほどの丘陵地で県内最大規模1・5㌶の茶畑を持ち、「やぶきた」を中心に5種類ほどの茶樹約4万本を栽培する。
茶葉は、冷涼な気候から一般的な八十八夜を過ぎ、百八日が摘み取りの基準となるため「百八茶」とも呼ばれ、香り高くコクがあると評されている。
村松さんの教えを生かした製茶により、えぐみが少なくすっきりした味わいで、やさしい甘さも感じられる和紅茶に仕上がった。その品質は大阪と広島の両サミットに提供されたことが証明だ。
あさひ園で販売される桃生茶を使用したkitahaブランドは、煎茶や和紅茶など4種類。また、和紅茶の茎など未使用部分を使った県産米粉のクッキー「ふわとぼうる」、煎茶の苦みを利かせたメレンゲ「あわつぼみ」がある。
佐々木さんは「桃生茶400年の伝統をつなげるよう頑張りたい」と話す。(木村弘実)


