農業共済新聞記事バックナンバー

「家族で堅実酪農・生乳生産量は1日平均900㌔」

【栗原市】栗原市花山の野村泰仁(たいじ)さん(52)は、登米市東和町で酪農を営んでいたが、牛舎を含む自宅敷地が道路整備の用地買収対象となり、酪農を継続するため花山上原地区に移住し17年がたった。現在、移住前と同等規模の成乳牛35頭、育成乳牛20頭を両親と妻の由華(ゆか)さんの4人で飼養している。

2009年、野村さん方が道路用地のため買収の対象となったが「花山に牛舎と草地がそのまま使える物件がある」という情報を聞いた泰仁さん。酪農に適した環境であることから、家族で話し合い移住を決めた。
 移住後は、花山地区が海抜300㍍と冷涼な気候であることから「牛への負担が軽減されたのか、病気が減り死亡する牛も少なくなった。昨年の夏も極端な乳量減少はなかった」という。
 「移住当初の冬は積雪量が多く、ご近所さんに助けられて感謝している」と泰仁さん。11年には、東日本大震災による停電を経験。「発電機を借りるまで搾乳が大変だった」と振り返る。
 生乳は一日平均900㌔を生産。育成乳牛は自家産に力を入れていて、「大事な哺育担当は母と妻です」と家族で分担する。「子牛のころからスキンシップを図り、人に慣れさせることで人によるストレスを感じないような飼育を心がけている」と話す。
 生乳は、同市内外の酪農家6軒で構成する「上原(うわはら)酪農組合」で、みやぎの酪農協同組合に出荷。その一部はみやぎ生協で「鳴子上原酪農牛乳」として販売する。泰仁さんは「自分たちの名前で売れるのは誇らしい」と笑顔を見せる。
 生協組合員向けの勉強会では年7・8回、講師を務め、酪農への理解向上や牛乳の消費拡大にも力を注いでいる。
 「夢は敷地内に喫茶店を開くこと。自家産生乳を使ったアイスクリームやチーズを提供できたら」と将来を見据える。(佐藤誠)

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