農業共済新聞記事バックナンバー
「有機米を学校給食に提供・産地の認知度アップへ」
【登米市】「安全・安心な米で地域社会を豊かにしたい」と話すのは登米市南方町の「南方町水稲部会」会長・大久保芳彦さん(68)。同部会は構成員78人で環境保全米435㌶と、有機米を30㌶栽培する。昨年12月には、収穫した有機米が市内の学校給食に提供され、農薬を使用しない有機米の認識向上に役立てた。
昨年の有機農業の日(12月8日)に同市津山小学校では、同部会の及川昌憲さん(70)が児童たちへ有機米について説明を行った。及川さんは「日本の水路は約40万㌔あり、田んぼにつながる水路は緑の血管」と表現し、自然の大切さを伝えた。有機米給食を食べた児童は「いつもの米より甘い」「もちもちしておいしい」と笑顔で話した。
有機米を「JAS認定有機米」として食べてもらうためには、JAS認定の精米施設への搬入が必須だが、東北には給食規模に対応する施設がないため京都の認定精米施設へ出荷後、買い戻す形をとっている。
学校給食への有機米提供は、2025年から市が取り組んでいる。本年度は県内初の「オーガニックビレッジ宣言」の一環として、市立小中学校、幼稚園、保育施設に約6千食を提供。給食用として買い上げる米と一般流通する有機米との差額は同市が負担する。
同部会は1997年に有機米生産を本格的に開始。93年の大冷害で外国産米を受け入れたことをきっかけに「求められる安心、安全な米を提供したい」との思いを持ったという。現在も同市は環境保全米栽培の先進地と呼ばれ、同部会はその先導的役割を担ってきた。
大久保さんは、「市内外の消費者・稲作農家に環境保全米の普及啓発を行い、飲食店への提供を続ける」とし、「今後、さらにこの運動に力を入れ、登米市を『安全な米日本一』の産地にしていきたい」と展望を話す。(小松理莉子)

