農業共済新聞記事バックナンバー

「花づくりを楽しみながら続けていきたい」

【大崎市】「自分たちで考え、花の栽培や販売することが楽しい」と話すのは、大崎市古川の大塚康純さん(72)と妻の弘美さん(63)。自宅の直売所「パパスファーム」などで色鮮やかな花を販売するほか、寄せ植え教室などを開催し、花の魅力を伝えている。

 2000年に花き栽培を始めた康純さん。ガーデニングブームをきっかけに「独立して仕事がしたい」と東京の勤務先を退職し、弘美さんの地元の古川に越してきた。新規就農支援を受け、美里町で花き栽培を半年間学び、現在はパイプハウス2棟(400坪)で40品目ほどの花苗と鉢花を栽培している。
 「多品目少量生産を経営方針としている」と康純さん。夏はニチニチソウ、秋冬はパンジー、ビオラを中心に、寄せ植えの素材となるような品目を通年栽培している。花は自宅の直売所で販売するほか、仙台市場、市内の道の駅やホームセンターなどへ出荷している。口コミやSNS(交流サイト)で評判が広まり、県内各地から購入者が訪れるという。
 「近年、物価高騰の影響で生産コストがかかるのに対し、栽培を始めてからずっと花の販売価格が低迷している状況だ」と康純さん。経営を続けていくため、二人で日々話し合いながら、購入者が栽培しやすいよう考慮して品目を選定している。
 「直売では、ただ販売するのではなく、丁寧な接客が大切」と弘美さん。直売所で品種の特徴や育て方のアドバイスを行ったり、近隣の公民館で寄せ植え教室を定期的に開催したりするなど、花の魅力を伝えることにも精力的だ。
 「お客さんのニーズに寄り添えるよう、いろいろな品種にチャレンジしていきたい」と今後の意気込みを話す。(齋藤誠也)

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