農業共済新聞記事バックナンバー
「省力化で持続可能な農業」
【色麻町】色麻町の農事組合法人下高城ふぁあむ(代表・早坂成弘(まさひろ)さん=58歳)では、水稲を中心に大豆や伝統野菜「高城ごぼう」、ダイコンなど土地の特性を生かした作物を作付け、土地利用型農業と乾田直播による省力化に取り組んでいる。
同法人は2014年10月に設立。29戸の会員で構成され、水稲44㌶を中心に、大豆18㌶、ゴボウ80㌃、ダイコン10㌃、キャベツ10㌃、ハクサイ10㌃などを栽培する。
秋は、水稲に始まり、サツマイモ、ゴボウ、ダイコンと収穫が続き、昨年度から栽培を開始したサツマイモは香港などに輸出する。
同法人は圃場整備後、農地が1㌶区画となり、大規模かつ計画的な作付けを実現。大豆の後作多肥の状態を生かすなど、効果的なブロックローテーションを行っている。
水稲は今年、乾田直播を導入した。乾いた圃場に種を播いて出芽させ、水を入れて栽培する。担い手の減少や高齢化、生産コストの上昇など農業情勢が厳しくなる中で春作業の負担を減らし、生産コストを削減することが目的だ。「収量は移植より減るが、省力化の効果は大きい」と早坂さん。
播種前には、生育のばらつきや除草効果を高めるため、田面の高低差がなくなるように均平作業を行う。播種後は、雨で出芽するが少雨の際は通水して対応する。「高齢化や担い手不足で労力や資材、コストを削減できる農法は必須」と早坂さんは話す。
今後は「地域の特徴を生かした農業を営みながら、これからの時代に合った持続可能な農業を見据えて、さまざまな挑戦を続けていきたい」と意欲を見せる。(本田茂樹)

