農業共済新聞記事バックナンバー

「多品種栽培で野菜の魅力を発信」

【白石市】「色や形がおもしろい野菜を見つけてもらいたい」と話すのは、白石市福岡「ひろみ農園」代表・佐藤博美さん(64)。夫の俊昭さんと定番野菜をはじめ、カボチャ「プッチィーニ」、緑ナスなどの珍しい野菜を年間30種類以上栽培。地元のレストランや直売所に出荷し、丹精込めて栽培した新鮮な野菜を多くの人に届け喜ばれている。

博美さんは40代のときに直売所で生産者募集の貼り紙を見て、興味を持った。娘に後押しされ、転作田50㌃を活用し2009年に農園を立ち上げた。現在は70㌃で野菜や果樹を栽培する。
 「他の生産者とかぶらない野菜を作りたい」と博美さん。これからの時期は金時ニンジンやカラフルニンジン(赤、白、黄、紫)、サトイモの出荷を予定している。
 「今年は、高温と水不足に悩まされた」と博美さん。暑さに強い品種を選定し、定植の時期を工夫した。
 農閑期の冬には、「手作りこんにゃく」や「切っ掛け干しダイコン」など加工品を販売し、年中切らさず商品を届けている。
 また、農園では地域の食育活動にも参加。地域の小学校から児童を毎年受け入れ、野菜の植え方から収穫までの体験を提供する。「普段食べている野菜の形を知らない子どもが多く、この活動で新鮮な野菜のおいしさや形などを学んでほしい。今後も食育活動を継続していきたい」と意欲的だ。
 直売所で販売する珍しい野菜には、食べ方を分かりやすく書いた紙を一緒に封入し、手に取ってもらいやすいよう工夫する。
 リピーターも多く「おいしかった」「楽しみにしている」など、購入者からの声が励みになると博美さん。「今後は若い農家と交流を持ち、情報や刺激をもらって、自分のやりがいに変えていきたい」と笑顔で話す。(佐藤雅一)

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