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「力合わせて繁殖・肥育」登米市  

【登米市】登米市南方町の梅津(うめつ)洋(ひろし)さん(41)・実紗輝(みさき)さん(31)夫妻は協働で、繁殖牛から肥育牛までを飼養する一貫経営を行う。夫妻は連携を密にすることに努め、互いを認め合い、力を合わせることで、作業能率の向上、経営の安定化を目指す。

梅津さん夫妻は、2015年に法人化し、従業員2人とともに肥育牛270頭、繁殖牛17頭、子牛9頭を飼養する。
洋さんが就農した当時は肥育牛80頭ほどだったのを、270頭まで増頭するほか、繁殖牛を導入し、一貫経営へ移行してきた。洋さんは「妻は全ての作業に従事しており、安心して任せている。同じ目的に向かって協力し合い、細部にわたって話ができる存在が身近にいることは、仕事もはかどり力強い」と話す。
実紗輝さんは、結婚前から洋さんが畜産業を生業にしていることを知っていたが、実紗輝さん自身農業と関わりがなく、未知ということもあって先入観なく溶け込んだ。畜産業は、給餌、ワラの管理、牛舎の清掃、堆肥の処理など、体力が必要だが、女性ならではの気遣いで、牛の体調管理、子牛の哺育・育成のほか、経理を担当し、協働で取り組む。
法人化後は、労力の軽減を図るため自動給餌機を導入。粗飼料と濃厚飼料の割合を調整するほか、添加剤を配合し、疾病低減の効果も得ている。
また、分娩監視カメラを設置し、分娩兆候や経過を遠隔地からでも観察できるようにし、事故防止を図っている。洋さんは「添加物の利用で牛の体調管理ができ、獣医の診療回数が減った。分娩では、見回りの負担や外出の制限が減り、楽になった」と手応えを話す。
「肥育牛500頭の飼養を目指すほか、繁殖牛も増やして一貫経営の安定化を図りたい」と洋さん。実紗輝さんは「毎日牛を見に行かないと心配になるほどです。できることを増やして洋さんを支えていきたい」と笑顔で話す。 

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