農業共済新聞記事バックナンバー
「充実の施設で集客」
【蔵王町】蔵王町遠刈田地区の有限会社蔵王ブルーベリーファーム(佐藤(さとう)雅彦(まさひこ)代表・2000年設立)では、ブルーベリーが最盛期を迎えた。同園は8園地13㌶の敷地で、2万本を超える約50品種を栽培し、摘み取り体験や加工販売を行う。
「ブルーベリーには複数の系統があるが、当園では寒冷地向きのハイブッシュ系を栽培する。種のざらつきが少なく、口当たりが良い」と話すのは、同園で栽培管理を担う深澤(ふかざわ)昭一(しょういち)さん(50)。「今年は天候に恵まれたので、なかなかの出来栄え」と収穫に安堵する。
ブルーベリーは農薬を使わずに栽培するため、春から夏にかけて害虫駆除や草刈りが欠かせない。秋口は手入れや冬場には剪(せん)定作業があるが、広大な園地を整備するのは一苦労だという。
「栽培が大変な分、多くの人に食べてもらいたい。品種の味比べをして無農薬のブルーベリーを楽しんでほしい」と深澤さんは来園者に向けてPRする。
ブルーベリー狩りを体験できる第一農園では、レストハウスが併設され、農園のブルーベリーを使用したスムージーなどを提供。ブルーベリーと砂糖のみ使用した自家製ジャムや無添加の果汁100㌫ジュースなどの加工品も販売する。
一番人気のブルーベリーソフトクリームを購入した大河原町の男性は「濃厚な味わいでブルーベリー好きにはたまらない」と笑顔で話す。
深澤さんは、「昨年までは家族連れや団体客も多く、台湾などの海外からも摘み取りに来ていた。コロナ禍ではあるが、可能な限り旬の味を提供していきたい」と前向きに話す。