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「加工用ジャガイモ産地拡大」

【美里町】「圃場整備後の転作田で、より収益性の高いジャガイモ栽培に着目した」と話す、宮城県ぽてと生産者協議会の赤坂芳則(よしのり)さん(69)。カルビーポテト株式会社との加工用ジャガイモの契約栽培によって、栽培技術が向上していて、県内作付面積200ヘクタールを目指す。

赤坂さんは米・麦・大豆に代わる収益の高い作物に挑戦しようとジャガイモに注目し、「契約栽培であれば、安定した収入を得られるのでは」と考えた。
2006年に東京へ出向きカルビーポテト株式会社の幹部に相談すると、その熱意から圃場を確認してもらうこととなった。ジャガイモ栽培は大規模な農地で排水の良いさらさらとした砂地が適しているとの指導を受けた赤坂さん。「砂地」とはいえない田んぼでの作付けであったが、美里町内南郷地区の水はけの良い圃場を選び07年に1ヘクタールの栽培を試みた。
「収穫が手作業のうえ最高気温35度の猛暑日が続き条件は良くなかったが、収穫量は10アールあたり2000キロで手応えを感じた」と話す。
08年1月に、5つの組織からなる南郷ぽてと部会(現美里ぽてと部会)を設立し、「ポテトプランター」や収穫用の「ポテトハーベスター」などの大型機械を導入。本格的に契約栽培が始まった。
品種は加工用のジャガイモ「トヨシロ」と「オホーツクチップ」。今年度は田んぼ25ヘクタールで3月末から4月上旬に植え付けを行い、7月下旬から8月下旬まで2台のハーべスターで収穫作業後、選別していく。弾丸暗渠や明渠排水で雨水が溜まらないよう工夫する。「カルビーポテトの技術指導のおかげで高品質なジャガイモ栽培に取り組める。今は10アールあたり2800kgの収穫量だが、平均3トンまで増収したい」と赤坂さんは意欲的に話す。
17年には、生産者・JA・自治体が連携しジャガイモの生産拡大を目指す県ぽてと生産者協議会を設立。赤坂さんは「ジャガイモは土地利用型で、1キロあたり約42円と麦や大豆に比べて単価が高い。10アールあたり約12~13万円の収益が得られるので、たくさんの人に取り組んでほしい」と積極的に話す。

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