農業共済新聞記事バックナンバー

地元愛が私の原動力

【加美町】「生まれ育ったこの土地の風景と、おいしい野菜が好きで帰ってきた」と話す、加美町地域おこし協力隊の髙橋千鶴(たかはしちづる)さん(38)。2017(平成29)年から同町小野田の農事組合法人「やくらい土産センターさんちゃん会」で直売所の運営に従事する。

髙橋さんは大学を卒業後、埼玉県で映画やテレビの美術セットの制作会社で13年間勤務。やりがいはあったが、次第に故郷への思いが強くなり、地元への再就職を考えていたところ、協力隊を募集していると知り、Uターンを決めた。
これまで、売り場やレジなどの接客をはじめ前職の経験を生かし、地場産野菜の魅力やお勧めの調理方法を示すPOP広告を制作。生産者からは「消費者に親切だし、目を引く」と好評だ。
その他、町外の消費者に向けて仙台市への出張販売時には、チラシ「どさんだより」を発行し旬の野菜や地域イベントを紹介。また、髙橋さんの発案でSNS(会員制交流サイト)を活用した情報交流に取り組んだ。
昨年からは、新鮮な野菜や果物を生かしてスムージーの販売を開始。メニューは旬の素材を選び、季節ごとに変え、今年は薬菜特産のワサビを使ったスムージーを考案した(販売は不定期)。
今は7月の直売所25周年創業祭に向け、商品を販売する生産者の思いを伝えたいと、特設パンフレットの作成にあたっている髙橋さん。協力隊の任期後は、「地元の人と移住者が集える場所を造りたい。地場産野菜を使った料理を提供できるカフェを経営できれば」と目標を話す。

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