農業共済新聞記事バックナンバー

「健康桑茶で活力を」

   山元夢ファーム

【山元町】東日本大震災からの復興と、新しい地場産業の創生を目指すNPO法人「未来に向かって助け合い」。同法人で農業部門を担う山元町山寺の「山元夢ファーム(福井福治(ふくいふくはる)代表・70)」は、町内産の桑(ヤマグワ型)の葉を100%使用する「桑茶」「桑茶青汁」を製造販売する。

地元の復興へ土壌改良から」

山元夢ファームは2㌶に、ヤマグワと約10種類の野菜を、化学肥料と農薬を使わず栽培する。
 「大正時代、亘理郡内は養蚕業が盛んだったので、栽培に向いていると思った。桑畑を復元しながら、地元の復興を目指せればと考えた」と福井さんは話す。
 2013年にヤマグワ5千本を植樹。栽培当初、圃場の土が海水をかぶった影響で、作付けしても葉が硫黄病になるなど生育不良だった。以降、12月と5月頃に鶏ふんと馬ふん堆肥を計40㌧施用して、土質を改善。肥よくな土壌を作る。
 収穫は6月中旬から10月の間、1.5㍍ほどに生長したヤマグワを手作業で取っていく。

学生ボラが作業に参加

「収穫に、学生ボランティアの手を借りることもある。作業を通して山元町を知ってもらい、少しでも町の復興を感じてほしい」と福井さんは笑顔で話す。
 収穫後は水洗いし、約9時間、60℃以下で低温乾燥。葉に含まれる水分量で乾燥後の葉の色付きが異なり、茶色は茶葉に、緑色は青汁に利用する。桑葉の枝取り作業後、甘い匂いと白い煙の加減を見ながら焙煎していく。
 「桑葉は鉄分やカルシウムを豊富に含む。高品質な桑葉を追求し、多くの人に味わってもらいたい」と抱負を話す。

ページ上部へ