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石巻市 規格外野菜を有効活用 6次化に夢広がる

【石巻市】石巻市桃生町の日野正江(ひのまさえ)さん(60)は、2017年に友人の浜畑千代子(はまはたちよこ)さん、菅原きよ子さんらと自家産野菜の加工・商品化に挑戦。出来上がった「糀シリーズ」はピーマンとシソの2種類で、「今後、新商品の開発を進め、糀シリーズを増やしていきたい」と意欲を話す。

仲間と共に

「豊作で獲れすぎたり規格外で出荷できなかったりする野菜を、どうにか有効活用したかった」と話す日野さん。開発当初、商品のイメージはあったが資金や加工場所、パッケージのことなど課題は多かった。

同市6次化センターに相談し「石巻市6次産業化・地産地消推進助成金制度」を活用。これを機に、同センター主催のイベント出店などを通して、具体的な商品開発が進んだという。

「調理面では材料に使用する青トウガラシが個体によって辛さが異なるため、食味を統一するのに頭を悩ませた」と日野さん。研究を重ね一つずつ課題を解決したという。

イベントで販売 リピーター獲得

糀シリーズは具材と麹を一緒に煮込み濃厚でコクのある味わいに仕上げる。日野さんは「刻んだ青トウガラシをアクセントにピリッとパンチの効いた味付けになっている。何にでも合う万能調味料なので、ご飯や晩酌のお供に味わってほしい」とPR。昨年から、市内イベントへ出店するなど数量限定の販売だったが好評を得ていて、リピーターも多いという。

「販売時にお客さんが商品を手に取る瞬間に立ち会い、生の声を聞けて良かった。この時の意見が新商品の開発ややりがいにつながっている」と笑顔で話す。

今後、糀シリーズの新商品開発と固定店舗での販売を計画する日野さん。「商品化を考えている方に、自分たちの活動から6次産業化に挑戦できることを知ってもらいたい。仲間たちと商品を生み出して地域復興につなげられれば」と期待を込める。

日野正江さん(TEL:090-7560-7411)

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