農業共済新聞記事バックナンバー
「手塩にかけたおいしいお米を届けたい」
【栗原市】栗原市栗駒で米の生産・集荷・販売などを行う有限会社狩野農友(代表取締役・狩野常幸(つねゆき)さん=42歳)は、今月14、15日に行われた宮中祭祀(さいし)・大嘗祭(だいじょうさい)に2019年産米を奉納。「大変名誉なことでとてもうれしい。身に余る光栄」と話す。
宮中祭祀で奉納される農産物などは庭積の机代物(にわづみのつくえしろもの)といい、一般に「皇室献上品(米)」と呼ばれる。大嘗祭は、毎年11月23日に行われる新嘗祭(にいなめさい)にあたり、今年は新天皇即位後初の貴重な行事となった。
狩野さんは、2000年1月に父・幸一さんとともに法人を設立し、18年に引き継いだ。7人の従業員で、水稲品種「ひとめぼれ」「ササニシキ」など41㌶を作付けする他、米の集荷販売や育苗床土の生産を手掛ける。
栽培は「稲に語りかける気持ちで」と笑う狩野さん。生育に合わせながら、基本的な技術を押さえたきめ細かい栽培管理を実践する。
品質管理や炊飯時のブレンド技術など米に関する知識を必要とする「お米マイスター」と、農産物検査員の資格を持ち、良質米を求めて研究してきた。
18年には県農林水産物品評会で農林水産大臣賞を受賞。「受賞を励みに、さらに食味を追及し、努力を重ねた。今できる最高の米に仕上げられた」と献上米の出来を話す。
狩野さんは「これからは献上米や農林水産大臣賞の名に恥じない米作りをしていかなければならない。口にした人が『ここの米は一味違う』と思うよう、品質の向上を図る」とさらなる極みを目指す。