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ヒートポンプ式暖房 燃料費減に期待

大和町 サンフレッシュ七ツ森

【大和町】大規模園芸施設でトマトの溶液栽培に取り組む大和町吉岡の「有限会社サンフレッシュ七ツ森(本田昭彦代表・51歳)」はこのほど、温室内の加温対策にヒートポンプ式の暖房設備を導入した。「燃料コストを以前より3割ほど抑えたい」と効果を期待し、品薄になる冬季に出荷照準を合わせ、繁忙期の作業にあたる。

同社は2002(平成14)年7月にトラス式ダッチライト型温室(1万240平方メートル)を設置し、トマトの非循環式溶液栽培に取り組む。
固形培地耕(ロックウール耕)に水や肥料成分を含む培養液を流し込む方法は、土耕栽培に比べ土壌病害や連作障害の心配がなく、土寄せ、施肥、除草などの作業が省略できる。
現在、本田代表とパート従業員17人で、主に大玉トマト「富丸」、中玉トマト「カンパリ」の2品種を栽培。慣行栽培のトマトが出回る夏場は播種、定植など生育に係る準備期間に充て、トマトの供給が不足する10月上旬から翌年6月下旬までの9カ月間、出荷作業に忙しい日が続く。
冬期間は温室内の加温に加温設備が必須で、経費がかかる。これまで廃タイヤを燃料とした「タイヤボイラー」を利用するなど、燃料コストの削減を図ってきた。
「燃料費がかさんでもトマトの販売価格に転嫁できるものではない」と本田代表。新たな導入コストはかかるものの、既存の設備とうまく組み合わせることで省エネルギー・低コストを目指し、ヒートポンプ式暖房設備14台の導入に踏み切った。本田代表は「燃料費ベースで以前より3割ほどコストダウンさせたい」と期待する。
10年ほど前に、大玉トマトの栽培品種を「桃太郎」から富丸に切り替え、直売用にカンパリを追加。赤色トマトの硬さとピンクトマトの食味を併せ持つ富丸は、日持ちが良く、高収量が期待できる。また、皮が硬めで歯応えがあるカンパリは、高糖度で房のままでも収穫することができる。
本田代表は「甘さと酸味のバランスを大切にしている。どちらの品種も消費者に好評だ」と自信を持つ。県内市場へ出荷するほか、JAあさひなグリーンセンターや地元スーパーマーケット、一部大型商業店舗に提供している。
本田代表は「品質の良さはもちろん、1日平均で1トン、年間で300トンの収穫量を目指したい」と話す。
問合せ先・(有)サンフレッシュ七ツ森=電話番号:022・347・1948

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