農業共済新聞記事バックナンバー
「主食用米『ゆうだい21』に挑戦・おいしさ追求」
【丸森町】「安全・安心を担保にワンランク上のおいしい米を提供したい」と話すのは丸森町舘矢間の髙橋孝志(たかし)さん(65)。所属する「丸森町ブランド米研究会」は、全国規模の食味コンクールで金賞を受賞した主食用米「ゆうだい21」の栽培に今年挑戦し、食味を追求している。
髙橋さんは「もともとは『コシヒカリ』を栽培していたが、高温障害による品質低下に困っていた。そんなとき『米・食味分析鑑定コンクール:国際大会』でゆうだい21を知り、品質と収量を向上させ、経営安定につなげたいと栽培を決意した」ときっかけを話す。
同研究会の会員は、昨年、栃木県の宇都宮大学で研修を兼ねた「ゆうだい21サミット」に参加し、ロゴの使用許可を得た。仙台市の百貨店や丸森町の直売所「八雄館」「いきいき交流センター大内」で販売している。
ゆうだい21は、粒の大きさと美しさ、粘りと弾力、おかずが不要なほどの甘みが特徴。特に弾力はコシヒカリの5・5倍あり、もちもちとした食感が抜群だ。冷めてもおいしく、お弁当などにも最適だという。
「ゆうだい21は稲丈が1・3㍍まで伸びる。ここまで長いと、倒伏しやすくなるため土作りに力を入れ、熟成した堆肥を10㌃当たり1・8㌧使用した。それでも稲丈が長すぎるため大きなコンバインで慎重に刈り取りをした」と苦労を話す。努力の結果、髙橋さん方では通常10㌃当たり8俵ほどのところ、9俵を倒伏せずに収穫できた。
「消費者から『おいしかった』と言われるときが一番うれしく、やりがいを感じている」と髙橋さん。「ゆうだい21のおいしさをより多くの方に知ってほしい。多く出回っていないので、見つけたらぜひ手に取って味わってみてほしい。今後は会員とともに栽培面積を増やし、倒伏しない工夫を研究していきたい」と展望を話す。(渡部るな)


