農業共済新聞記事バックナンバー

「開放的な広々牛舎を新築」

【東松島市】「子牛が生まれ、母牛が初乳を飲ませている姿に感動する」と話すのは、2020年5月に新規就農した東松島市牛網の三浦牧恵(まきえ)さん(40)。夫の丈士(たけし)さん(40)と共に繁殖牛40頭、育成牛30頭を飼養し、日々奮闘している。

両親が畜産業を営んでいて、牧恵さんは幼い頃から家業を手伝っていた。
 父親が数年前に他界し、母親から廃業することを告げられたとき、「両親が大切にしていた牛を自分が守っていきたいと思い、この道に飛び込む決心をした」ときっかけを話す。
 当初は建設業事務の仕事と畜産業を並行して行っていた。だが、畜産一本でやっていきたいとの思いが日に日に強くなってきたという。また、「女性一人では大変だ」と周囲からの反対があったが、丈士さんから「全面的に協力するので、自分の思った通りにやったら良いよ」と後押しがあり、専業としての就農を決心し、4年目を迎えた。
 現在は、夫婦で畜産業に専念し協力して牛の世話をしている。
 親牛10頭から始まり、今では40頭に増加し、ストレスを感じないような環境づくりも大切にしていることから、敷地に新たな牛舎を建設した。前職が建設業という丈士さんが自ら造り上げた。
 「広々とした環境で牛たちは日々、伸び伸びと過ごしている」という。
 「牛にもそれぞれに個性があるので、一頭一頭に合わせた飼育が必要だ」と牧恵さん。「今後も管理を徹底し、些細(ささい)なことも見逃さないよう丁寧に観察していきたい」と意欲的だ。(深堀)

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