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西洋野菜「ルバーブ」町挙げて特産化

 【七ヶ浜町】「ルバーブで七ヶ浜をアピールしていきたい」と話す七ヶ浜町菖蒲田浜の渡辺弘さん(65)。水稲2㌶と畑10㌃で野菜を作付け、約80株のルバーブを栽培している。同町ではルバーブのブランド化で地域の活性化を目指していて、渡辺さんも5年前から栽培を行う。

ルバーブは欧州で栽培されているタデ科の野菜で、見た目がフキのような形をしている。葉の部分はシュウ酸を多く含んでいるため茎の部分を食用に使う。  
 七ヶ浜町でのルバーブ栽培は、明治期、外国人避暑地のある同町高山地区で栽培されていたものを、同地区の住人が種を譲り受けて栽培したのが始まりといわれている。2018年、特産にしようと町を挙げて「七ヶ浜ルバーブ」として栽培が開始された。
 渡辺さんは「ここは海に面しているためノリなど海産物のイメージが強い。農産物でも町の魅力を引き出したい」と話す。
 ルバーブは播種から2年目に収穫するが、発芽率が低いため収穫を終えた後、株分けして増やしている。多年草で収穫は春から秋にかけて、1株当たり数回収穫でき、収量は年間2~3㌔だ。
 緑色系が一般的だが、希少な赤色系品種の種子は「東北復興宇宙ミッション2021」の際にロケットに載せたことから、「七ケ浜宇宙ルバーブ」の名前で町内で栽培されている。
「煮詰めると、よりきれいな赤色になるので、お菓子作りなどで華やかさが増す。レストランなど取引先からの反応も良い」と渡辺さん。
「今後は、生産量を上げて需要に応えていきたい。七ヶ浜のお土産としてルバーブのお菓子を商品化し、全国に七ヶ浜の知名度を広げていければ」と意気込む。(鈴木大)

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