農業共済新聞記事バックナンバー

「ササニシキに自信と誇り」

【白石市】「常に田んぼと向き合い、試行錯誤することで良質な『ササニシキ』ができる」と話す、白石市白川の佐藤良夫さん(67)。「宮城白石産ササニシキ復活プロジェクト・畦(あぜ)かえる」のメンバーとして10㌶でササニシキなど8種類の米栽培に取り組み、食味と品質向上を追求しながら、ササニシキの魅力を発信する。

同復活プロジェクト・畦かえるは2016年、地元農家5人でスタートした。かつて民間調査機関で食味日本一になり今では希少となった白石産ササニシキを復活させ、「白石産のササニシキを全国に届けよう」という思いから、現在は8名で活動している。
 佐藤さんは昨年11月、大崎市で行われた「第6回全国ササニシキ系『ささ王』決定戦2022」で「金ささ賞」を受賞した。メンバー全員でそれぞれの生育状況を確認し、食味が高いササニシキになるよう意見を出し合いながら栽培しているほか、大崎市で同じくササニシキを栽培し、同決定戦2019で第3代ささ王を受賞した齋藤武康さんからアドバイスを受けている。
 「受賞したことで日頃から切磋琢磨(せっさたくま)しながら頑張っているメンバーやササニシキ農家の士気も上がった」と話す。
 高品質なササニシキを生産するため元肥に鶏糞を使用し、食味に効果が期待できるケイ酸カルシウムを混ぜ合わせた土作りを行っている。「品質を厳しく見極めるために、農薬や化学肥料を減らした土作りに取り組んでいる」と意欲的だ。
 ササニシキは、粘り気が少なく飽きが来ないさっぱりとした味わいが特徴。寿司(すし)ネタの味を邪魔しないシャリとして最適で、同市内の寿司店が同復活プロジェクト・畦かえるの米を指名するなど注目されている。
 佐藤さんは「齊藤さんを目標に、今後は国際規模のコンテストで金賞受賞を目指したい。白石産のササニシキを今以上に盛り上げていきたい」と抱負を話す。(川村)

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