農業共済新聞記事バックナンバー

「カボチャ産地で夢広げる」

【石巻市】「カボチャで広がる世界を見てみたい」と話すのは、石巻市北上の石牧紘汰(いしまき こうた)さん(28)。2019年秋に横浜市から北上地区へと移住し、「カボチャ生産者」の姿勢に魅了された。今年、カボチャの魅力を伝えたいと生産を始め、日々奮闘している。

石牧さんは、医療用品メーカーの営業として2年半勤務したが、「大学時代、福島で農業ボランティアを体験。その時出会った地域の方々の考え方に感銘を受け、農業の道に進むことになった」ときっかけを話す。
 インターネットで「一般社団法人イシノマキ・ファーム」の求人を目にし、就職して移住した。
 同法人では新規就農者をサポートしていて、さまざまな農家の話を聞く場を設けている。その中で石巻市内のカボチャ生産者と知り合い、「1株1果取りに対する農家のプライドに心を引かれた」と振り返る。
 同法人で働く傍ら、休日にカボチャの育て方を教えてもらい、今年の3月には、北上地区内に農地約50㌃を借りて本格的にスタートした。
 「4月中旬に体調を崩し栽培を諦めかけたが、ファームのスタッフや近隣の方々の協力で定植作業を行えた」と石牧さん。定植後も4月の霜や降雪、6月の大雨などの影響で苗の半分以上が枯死。雨対策で明渠(めいきょ)排水を施工したが、2千本の苗のうち収穫できたのは800個ほどだった。「収穫できたカボチャの品質は当初、期待したものにはならなかった」と悔しさをにじませる。
 現在は10月後半からの収穫に向け、冬至カボチャの抑制栽培を行っている。
 今後は、収穫体験やワークショップも企画していて、情報はホームページ「あぼーぼら・いしのまき農園」やSNS(交流サイト)で発信予定だ。
 「将来的に規模拡大したい。地方に移住したい方や、就農希望者それぞれに合わせたサポートを伴走しながら行いたい」と抱負を話す。
▽https://aboboraishimaki.studio.site/1(日野)

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