農業共済新聞記事バックナンバー

「農業振興の担い手に」

【色麻町】色麻町は今年4月に地域おこし協力隊3人を任命し、「産業振興」「移住定住」の重要な役割として期待を寄せる。3人のうち太田幸啓(ゆきひろ)さん(34)は農業支援員として就任し、産業振興課に配属となり、リンゴなどの果樹生産と商品のPRを中心に町の農業振興に取り組む。

太田さんは、同町の南山果樹園でリンゴ園地25㌃を借り、「ふじ」「つがる」「王林」などのリンゴを栽培。南山果樹生産組合長の髙橋光明(こうめい)さん(69)ら近隣リンゴ農家の助言や指導を受けながら栽培方法を学ぶ。
 仙台市の出身で、前職は介護職をしていた太田さん。「農業に興味があり、色麻町の協力隊の募集を見て応募した。農業は素人なので、髙橋さんをはじめ南山のベテランのリンゴ農家さんに教わりながら、剪定(せんてい)、摘果、防除など必要な知識と技術を学んでいる」と話し、リンゴの生産と同町内産果実のPRを通して販路の拡大を目指すという。
 髙橋組合長は「果樹関連についてサポートしていくので、リンゴ栽培の知識や技術を3年間で身に付け、その先も果樹栽培を続けてもらいたい」と太田さんを激励する。
 同町産業振興課の山田栄男(さかお)課長は「わが町は地域おこし協力隊事業の活用は初めてで、現在は主に果樹の仕事、有害鳥獣対策の業務を行ってもらう。今後は交流人口分野で地域資源の掘り起こしなど、地域活性化にも携わりながら、町外出身者ならではの感覚を存分に生かして町をPRしてほしい」と話す。
 園地の防除作業や樹木の剪定に精を出す太田さん。「リンゴ栽培を学びながら町に目を向け、行事やイベントを通して交流を広げていきたい。協力隊1期生として期待に応えられるよう努力する」と意気込みを話す。(但馬)

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