農業共済新聞記事バックナンバー

「若者引きつける経営に」

【南三陸町】「震災ボランティアで宮城県に来た時は、ここで農業をするとは思ってもみなかった」と話す南三陸町の歌津地区「株式会社グリーンファーマーズ・宮城」代表取締役の渡部(わたべ)恵(けい)さん(42)。震災後に増えた休耕地を借り受け、ネギやチヂミユキナを栽培し、地域の活性化を目指している。

グリーンファーマーズ・宮城は2013年10月に設立。ネギ8㌶とチヂミユキナ1㌶を、パートを含む10人で通年栽培している。
 東日本大震災の復興ボランティアとして東京から参加した渡部さん。グリーンファーマーズ・宮城の前身となる一般社団法人の支援プロジェクトの一環で、農業を始めた。
 「当初は、加工用のトマトやキュウリなどの栽培を試みたが、経験がなく手探りで行っていたので、収穫が追い付かずに品質も安定しなかった」と渡部さん。「地元農家の方に教えてもらいながら試行錯誤し、現在のネギ栽培が主体となった」と話す。
 同町歌津地区で現在借り受けている圃場は約50ヶ所と点在していて、離れた圃場はトラクターで片道40分かかるところもある。その多くが3㌃に満たないため、圃場ごとの管理に細かい作業が必要になる。
 渡部さんは「収量では及ばないが、品質では県内一番の会社になりたい」と話す。作業効率は良くないが、昨年のネギ出荷量はピーク時で一日1.6㌧だったという。
 「農業自体、本当は今でも好きではないが、シンプルにビジネスとして考えれば、これほど結果と利益が直結する職業はないはず」と渡部さん。「仕事で利益や成功を得たい若者に今の農業を知ってもらい、『かっこいい事業』というイメージに変えていきたい」と今後を見据える。(伊藤恵)

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