農業共済新聞記事バックナンバー

「自家産米のおにぎり 多彩に」

【柴田町】「おいしいおにぎりと言われることが一番うれしい」と話す柴田町の大沼カツヨさん(83)。2003年に長女・香代子さん(61)と共に農産加工販売「柏(かしわ)工房」を立ち上げ、自家産野菜を使って手作りおにぎりや総菜、弁当を作り販売している。

カツヨさんは21年度の宮城県農業・農村女性活躍表彰で、「女性の力を生かし安定した収益を上げた経営体」として評価され、女性活躍経営体部門・最優秀賞を受賞した。
 大沼さん方は家族3世代で「ひとめぼれ」「つや姫」「みやこがねもち」の3品種を4㌶で栽培し、工房では、おこわと赤飯などの加工はカツヨさん、具材など企画は香代子さん、配達は孫の担当だ。
 おにぎりはおこわ、赤飯、焼きみそを中心に常時10種類を用意し、季節によって具材を変えている。
 平日は200個、土日祝日は300個ほど作り、産直や町内のスーパーで販売。地元のイベントでは1日3千個を握るなど、依頼があれば積極的に受ける。
 カツヨさんの赤飯は人気商品で、米をとぐことから蒸らすまでの工程を1人で担うが、「何も難しいことはなく、長年の経験と勘で続けられている」とほほ笑む。
 現在は、コロナ禍の影響で総菜と弁当の販売は中止していて、「今後、コロナ禍が収束し、以前のようにお弁当とお総菜が再開できたら、家族みんなで柏工房を盛り上げていきたい」と話す。(鈴木)

「青パパイヤで健康応援」

【涌谷町】青パパイアで気軽に健康になってもらいたい」と話す涌谷町の佐藤厚子さん(67)。佐藤さん方では、露地20㌃で300本の青パパイアを栽培していて、青パパイアと葉を収穫してみそや茶などに加工、販売する。

佐藤さんは、露地栽培の視察先で青パパイアの葉を利用した茶に着目。2018年に栽培を始め、自ら試作を繰り返し、飲みやすい仕上がりに手応えを得て、翌年、商品化した。その後も、みそや抹茶、漬物などさまざまな加工に挑戦してきた。
 「生食は1カ月しか日持ちしないため、長く味わえるよう加工し青パパイアをPRしたかった」と当時を振り返る。
 青パパイアには、免疫を高める酵素などの成分が多く含まれ、栄養価が高い。佐藤さんは「無味無臭なため、どんな料理にも合わせやすい」と話し、さらに「抹茶はおなかが膨れずに便秘解消効果を感じることができる。みそはまろやかな味わいに仕上げている」とPRする。
 地域では青パパイアが珍しいため、町内の「黄金(くがね)の郷(さと)」や美里町の「花野果(はなやか)市場」に生食で出荷する際にはレシピを添付し、販売している。
 佐藤さんは「今後も新商品の開発をしていきたい」と笑顔で話す。(髙橋千)

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