農業共済新聞記事バックナンバー

「甘さ、食感に自信」

【仙台市】「黒ジャンボニンニクは独特の臭みが無く、甘い。この良さを多くの方に知ってもらいたい」と話すのは仙台市青葉区の「広瀬ファーム株式会社」代表・相澤廣(ひろし)さん(71)。自家産や県内産のジャンボニンニクを使った黒ジャンボニンニク「甘大蒜(かんたいさん)」を製造・販売し、認知度向上を目指す。

同社は2016年に設立。息子の良成(よしなり)さん(41)と2人で2㌶の畑でジャンボニンニクのほか、行者菜(ぎょうじゃな)やギンナン、ヤーコン、キクイモなど健康機能性の高い作物を主に栽培する。
  廣さんは「知人からジャンボニンニクを、黒ニンニクにしたら良いと紹介された。最初は何度も失敗したが試作を繰り返し、ようやく黒ジャンボニンニクの商品化にたどり着いた。品質向上のため食味試験の中で、食味の良さと栄養価の高さに着目した」と話す。
  ジャンボニンニクは西洋野菜リーキの仲間で、名前の通りニンニクの2~5倍ほどの大きさで、においが少ないことから無臭ニンニクとも呼ばれる。
 「黒ジャンボニンニクは、通常の黒ニンニクと比べS-アリルシステインやグルタミン酸といったアミノ酸が豊富で、疲労回復のほか認知症やがんの予防、免疫力向上、ストレス緩和などさまざまな健康効果が期待される」と廣さん。「毎日食べているおかげで風邪ひとつひかなくなった」と効果を実感する。
  粒が大きく通常の製法では熟成にムラが出るため、低温遠赤外線ヒーターを使った専用の熟成機を開発。遠赤外線で時間をかけて熟成させることにより、ドライフルーツのような濃厚な甘さと食感を実現した。  
  廣さんは「ジャンボニンニクはまだまだ認知度が低く生産者も少ないが、栽培は鳥獣害や害虫にも強く中山間地にも適している。今後は、黒ジャンボニンニクを通じて宮城の新たなブランド野菜にしたい」と意欲を燃やす。
▽広瀬ファーム=022-393-2527(佐藤)

ページ上部へ