農業共済新聞記事バックナンバー

「生食と加工品年間販売へ」

【丸森町】「今年のタケノコは豊作だ」と話す、丸森町の耕野(こうや)たけのこ生産組合代表の谷津吉宗(やつ よしむね)さん(75)。耕野地区のタケノコを多くの人に知ってもらいたいと加工販売し、タケノコの魅力を発信する。

耕野たけのこ生産組合は1975年に設立。竹林5㌶でモウソウチクを中心にハチク、マダケを栽培し、8人で加工・販売する。
 谷津代表は「安心して食べてもらえるように、全量、放射能検査を実施してから出荷している」と話す。
 同組合では2014年から放射性物質濃度測定を行っていて、国の基準値よりもさらに厳しい基準を設定。基準を超えた場合は廃棄、基準以下のものには検査済みシールを貼って出荷する。
 耕野のタケノコはえぐみが少なく、柔らかいのが特長。加工品「たけのこ水煮」は200㌘入り、税込み430円で提供する。
 組合員が持ち込んだタケノコの皮をむいて、殺菌のため2回ボイル。袋に詰めて封かん機で真空処理し、煮沸消毒して、目視で検査後、2日間冷ます。作業は7人で1日に千~1200パックを製造している。
 「組合では竹林を整備してタケノコの品質を保っている」と谷津代表は話す。
 11月から翌2月まで各生産者が間伐を行う。「品質の良いタケノコを栽培するために、”竹林では傘をさして歩けるほどの間隔が必要”としている」。収穫後と竹林整備前に有機肥料を与える。
 生食用のタケノコは地元の直売所で販売。たけのこ水煮は5〜8月にかけて、仙台あおば青果へ出荷し、県内の大手スーパー店頭に並ぶ。谷津代表は「生産量を上げて、年間を通じた販売を目指したい」と抱負を話す。(高橋康)

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