農業共済新聞記事バックナンバー

「認知・定着目指して」

【大崎市岩出山】大崎市岩出山小坪地区の大内孝宣(たかのり)さん(41)は、2018年2月に東京から地元に戻り就農。70㌃の畑で栽培するカボチャ、ハクサイ、ソラマメなどを「豪族野菜」として商標登録し、差別化した生産販売に力を入れる。

「豪族野菜のコンセプトは、昔の農民が食べていたものより良いもので、大名が食べていたもの未満の高級品までいかない『ちょっと良い野菜』。特殊な栽培技術ではなく、肥培管理による品質の向上で努力する」と大内さんは話す。 
 就農1年目から作った野菜を知人へ直売し、テストマーケティングを実施。販路を広げるためには、店頭で消費者の目に留まり、手にとってもらえるブランドロゴ(アイコン)が必要だと考えた。
 2019年末から具体的なロゴ作成に取り掛かり、20年4月に「豪族野菜」の商標登録を出願し、11月初めに受理された。
 白菜は冬囲いを行い、収穫直前まで圃場で管理する方法を採用し、鮮度と色合いの良い白菜を出荷できる。昨年はかぼちゃの糖度計を導入し、一定以上の糖度のものだけを商標シールを貼って販売する。
 「知名度を上げるため、豪族野菜を使ったイベントの開催やSNS(会員制交流サイト)を使用して情報発信に取り組んでいる。関東の飲食店からも好評で、継続的な契約につながっている」と大内さんは自信を見せる。
 販路はJA新みやぎを通した市場出荷の他、地域の直売所やインターネットでも販売。「今後は1・2㌶まで面積を増やし、豪族野菜が認知・定着するよう野菜もブランドもしっかり育てて守っていきたい」と意気込む。

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