農業共済新聞記事バックナンバー

「味と技を継ぐ」

【松島町】「富子おばちゃんの味噌(みそ)をたくさんの人に食べてもらいたい」と話す松島町の「発酵商店HATAYA」店主の関香苗(せきかなえ)さん(34)。叔母の角田富子(つのだとみこ)さん(71)から伝授された昔ながらの製法で、いとこの吉田裕子(よしだゆうこ)さん(33)と一緒に、味噌造りに取り組む。昨年8月にネットショップを開設し、さらなる販路拡大を目指している。

味噌の原料となる大豆は「ミヤギシロメ」、米麹(こめこうじ)の米は「ひとめぼれ」といずれも県産を使用。大豆1、米麹1の割合で配合し、添加物は使用しない。素材の風味を生かした、家庭で作られてきた懐かしい味だ。
 角田さんは「私の代で終わりだと思っていたが、めいっ子たちが継いでくれるので、作り方を伝授している。これからも味噌造りを続けてもらうとありがたい」と期待を寄せる。
 発酵商店HATAYAはネットショップで実店舗はない。店名は「ここでしかつくれないものを」との思いから、工房がある地名の「幡谷」から名付けた。
 以前は電話注文や一部店舗での販売だけだったが、ネットショップを開設し、北海道から九州まで各地から注文が入っているという。関さんは「これからイベントなどに積極的に出店し、お客さんの生の声を聞きながら富子さんの味をさらに広めていきたい」と意欲を示す。
▽発酵商店HATAYA=URL=https://hakkouhataya.thebase.in
(鈴木)

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