農業共済新聞記事バックナンバー

「地域を元気に」

【仙台市】仙台市七郷の平松希望さんは、農業を志す人の受け入れや都市と農村を結ぶ交流の場づくり、若手就農者の育成など農業を通して地域の活性化に取り組んでいる。

平松さんの経営する平松農園は仙台市の東部若林区荒浜に位置する。この地域は東日本大震災により甚大な被害に遭った。
 集団移転で地域コミュニティーが大きく変わり、地域農業は通い農形式の増加、経営継承の変化など構造が変わった。
 平松さんは学生時代の災害ボランティアをきっかけに、県外の非農家出身ながら2017年に新規独立就農し、農業を通じて被災した沿岸部の地域活性化に取り組んでいる。
 今年、震災遺構荒浜小学校横の集団移転跡地利活用事業地を借り、農園の拠点ハウスと畑を設けた。人の交流づくりのため、土作りを兼ねてマリーゴールドを60㌃植える予定だ。
 「新規就農者は経営を安定させるまでが困難で、周囲がスタートアップをしっかり支えてあげることは大切」と考え、新規就農者との共同、協業で使用する新築のハウスを設けた。
 「県外出身の就農者と地域のことを学び、同時に地域の農業、これからの農業について一緒に考えていきたい」と平松さんは話す。
 また、地域外からの就農促進のため、年間10人ほど視察の受け入れも行う。年々変わる就農にかかる制度について、自身の経験も含め新しい情報を伝えている。農業大学校などでの講義や視察受け入れの他に、リモートでの相談受け入れも行った。
 「失敗から学ぶことは多いので恐れずどんどんチャレンジしていきたい」と意気込みを話す。
 ▽野菜1.5㌶(ハウス3棟含む)(鈴木大)

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