農業共済新聞記事バックナンバー

「強いソバ産地へ」

【仙台市】「秋保といえばそば。知名度は高まってきたが、これからも魅力を発信していきたい」という仙台市の農事組合法人「あきう生産組合」の柴田市郎組合長(65)。先月、本年産の収穫を終え、「長雨の影響で作業が思うように進まなかったが、無事に収穫できて良かった」と安堵(あんど)の表情を見せる。

2016年に設立した同組合は、構成員23人でソバ22㌶と大豆50㌶、水稲11㌶を栽培する。ソバは、前身の秋保転作組合時代に栽培を始めて、今年で22年目だ。
 品種は、同市太白区秋保町の野尻集落で昔から作られてきた在来種。「さまざまな品種を試したが、風土に合った在来種は素朴ながら一番おいしく仕上がる。当時わずかだった種を増やし、面積を拡大していった」と柴田組合長は話す。
 9月に白い花を圃場一面に咲かせたソバは、10月に収穫する。「ソバの実は脱粒しやすいので、生育状況や天気などを考慮し、適期を逃さないように収穫する」と気を使う。
 収穫後、同組合の施設で乾燥調製する。2017年には石抜きや脱皮、製粉が行える機械を導入し、地場ブランド玄そば「秋保在来」として出荷。秋保町内の「秋保そば街道」の食事どころで提供される。
 今後について柴田組合長は「多くの方が秋保のそばをおいしいと言ってくださり、良いソバを地道に作り続けてきたかいがあった。これからもおいしいと言ってくれる人を増やせるよう、質の良いソバ生産を続けていきたい」と抱負を話す。(鈴木)

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