農業共済新聞記事バックナンバー

「水稲防除にドローン」

【気仙沼市】「ドローン(小型無人機)による防除を講習会で見たとき、これだと思った。高齢化が進む地域農業の一端を担う存在になるはず」と話すのは、気仙沼市で機械リース業を行う「株式会社Hatami(ハタミ)」の代表取締役・畠山稔(はたけやまみのる)さん(67)。ドローンの貸し出しを通して、同市へのドローン防除の普及を後押しする。

気仙沼市では、30年ほど前から航空防除に代えて地上防除を実施している。地上防除は、炎天下での作業となることも多く、高齢の農業者には大変な作業となっていた。2019年から動力噴霧機の使用をやめ、産業用ドローンによる防除を始めた畠山さん。「中山間地域が多い気仙沼市の田んぼは、無人ヘリよりもドローンの防除が向いている」と話す。所有するドローンは、全長1.2m、重量12㌔と比較的軽量なため、1人で機体の積み降ろしができる。無人ヘリよりも小回りが効くため、10㌃ほどの圃場でも容易に農薬散布ができるのが魅力だという。バッテリー1台当たり15分飛行が可能で、8㍑の薬剤を搭載しても、10㌃の圃場で一連の作業は10分ほどで完了する。作業は、防除とオペレーターの養成を兼ね、ドローンに興味のある若者に依頼している。畠山さんは「農業のきつい、つらいというイメージを、オペレーター作業を通じて面白いと思ってもらえれば、後継者も増えてくれるのでは」と期待する。オペレーターになった菅原利文(すがわらとしふみ)さん(45)は、以前からドローンを操縦し撮影などを行っていて、「専業農家ではないが、農業用の操縦も同じなので抵抗はないし、技術と経験を積める」と前向きに話す。
畠山さんは「ドローンは農業の分野でもいろいろな活用が期待できる。操縦免許があれば機体の貸し出しができるので、興味のある方は声をかけて」と笑顔でPRする。

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