農業共済新聞記事バックナンバー

「試食会で反応確認」

【石巻市】石巻市桃生町で米の生産・販売などを行う「有限会社アグリサ―ビス高勝(たかかつ)(1993年設立)」。代表取締役の髙橋一(たかはしはじめ)さん(37)は、2019年に父・勝雄(かつお)さんから経営を引き継ぎ、消費者へおいしい米を届けたい一心で営農に励む。

幼い頃から勝雄さんの手伝いをし、自ずと「農業のするんだ」と感じていた一さん。県外の農業大学を卒業後地元の農業法人で1年間研修し就農した。
 現在は、一さん夫婦と両親、弟の正信(まさのぶ)さんと「ひとめぼれ」「ササニシキ」「つや姫」など水稲45㌶を作付けする他、転作で大豆や麦の栽培も手掛ける。
 「安全でおいしいお米を消費者へ届けたい」との思いから、農薬を控えた栽培に取り組む。そのため、病気や害虫に強い稲に育てるのが重要だといい、苗の間隔を広く開け、全ての苗に日光が当たるように植え付けする。
 土作りには鶏ふんを散布。品種によって施用量を調整し、きめ細かい栽培管理を実践する。
 一さんは、品質や食味の評価など米に関する専門知識を必要とする「お米アドバイザ―」の資格を持つ。市内の商業施設で毎年、新米の試食会を行い、炊飯時のコツなどアドバイスしながら販売する他、試食下した人の反応を確認するという。
 「お客さんの反応が一番。ここの米は一味違うと言ってもらえるような良質米を作っていきたい」と品質向上に力を入れる。
 今後は現在も実施している収穫体験などを通じて「農業を始めようとする若者の後押しができれば」と担い手育成にも積極的だ。

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