農業共済新聞記事バックナンバー

「高値取引が何よりの評価」栗原市

【栗原市】栗原市金成で繁殖和牛を飼養する山家賢太郎(やんべけんたろう)さん(38)は、2018年4月に国の補助事業を活用し、弟の寿彦(としひこ)さん(34)との共同利用牛舎を増棟。親牛30頭ほどでの経営から、親牛63頭、子牛30頭へと飼養頭数を倍増させ、現在、月に3~4頭の子牛を市場に出荷している。

家が肥育農家だったため、物心ついたときから生活の中に牛がいた」と山家さん。畜産農家として歩み出すことはごく自然なことだったという一方で、「牛の改良に興味があった。繁殖農家として生計を立てたいと考えるようになった」と経営のスタート位置の違いを話す。
 高校卒業後、専門学校へ進学し、畜産を基礎から学んだ。在学中に『家畜人工授精師』と『家畜受精卵移植師』の資格を取得し、現在の経営に生かす。
 「子牛の血統には特に気を使っている」と話し、成績の良い血統を自ら種付けする。受精卵移植を行うことで改良を早め、市場で高評価を得られる子牛を生産している。
 栗原地区では主に南九州からの素牛導入を積極的に行っているが、山家さんは、牛白血病の血液検査の済んでいる素牛を導入する新たな取り組みを開始した。さらに、自家産牛の白血病検査やワクチン接種を定期的に行い、疾病に対するリスク管理も積極的に行う。
 「これからも丁寧な飼養管理を心掛け、事故率の低減、分娩間隔を短縮させて経営を安定させたい。賞を取るよりも、市場での高値が自分に対する一番の評価。将来は肥育も行い、一貫経営をしたい」と意欲を見せる。

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