農業共済新聞記事バックナンバー
「丹精込めたトマト、全国トマトの最高賞受賞に自信」
【大崎市】大崎市岩出山の株式会社まやまのさとうファームは、先ごろ開催された、野菜ソムリエ資格保持者約20人が最もおいしいトマトを決定する「第3回全国トマト選手権」のラージ部門(100㌘以上)で最高金賞を受賞した。佐藤喜則(さとうよしのり)代表(48)は「高評価をいただきうれしい。さらに精進し良いトマトを作りたい」と笑顔で話す。
株式会社まやまのさとうファームは、2021年4月に設立。トマト35㌃のほか、水稲23㌶、ナス7㌃を栽培。トマトの商品名「まやまのニコニコフルーツトマト」を「あ・ら・伊達な道の駅」や地元小売店などで販売する。
佐藤代表は20年以上前に「新しい作物を育てたい。作る人によって味が変わり、個性が出るトマトに挑戦してみよう」と栽培を始めた。
試行錯誤を重ね、ハウスで水耕栽培を行い、水の供給を抑えることでトマトにストレスを与えて成長を遅らせ、うま味と甘味が凝縮したトマトにいきついた。
「ハウスは温度、湿度、光量、水量を調整し、トマトの光合成に適した環境を整えることが大切」と佐藤代表。天気アプリ等で先の天気や温度のチェックを入念に行う。「春先は特に注意が必要。夜寒く日中は温度が上がり、トマトがしおれやすい。ストレスをかけると甘くなるが、やりすぎるとしおれてしまうのでストレス下でも育つ環境づくりが必要」と話す。
トマト選手権の受賞後は、大崎市の受賞報告会に参加。トマトを試食した伊藤康志市長は「甘味とうま味が濃く、しっかりした果肉でおいしい。さらなる活躍で大崎のトマトを全国に広げてほしい」とエールを送る。
佐藤代表は「20年以上続けてこれたのは、お客さんのおかげ。これからも『おいしい』と言ってもらえるように手間を惜しまない」と話し、「来年はミディアム部門に応募するため、さらに品質の良いトマトを作りたい」と今後の抱負を話す。(堀籠)