農業共済新聞記事バックナンバー
「高レベルの和牛を決意新た」
【栗原市】栗原市栗駒の栗原幸昇(ゆきのり)さん(45)は、先月6〜10日に開かれた第12回全国和牛能力共進会鹿児島大会に、第6区総合評価群の県代表として県北の畜産農家6人と出場。所属する「栗原和牛育種組合」は優等賞第6席入賞(種牛群順位9位)を果たし、奮闘した。
栗原さんは介護施設での勤務の傍ら、2年前に和牛繁殖の畜産業を承継し、母牛7頭、子牛5頭を飼養する。「昔ながらの畜舎だから堆肥をためると掃除が大変」と言い、出勤前に給飼と堆肥出しを行い、常に清潔な畜舎を心がける。「父から引き継いだとはいえ、仕事で帰宅が遅くなったときの夕方の給飼などは、家族のサポートがなければ飼養できない」と家族に感謝する日々だ。
全共第6区の総合評価群審査は、同一種雄牛を父とする若雌牛4頭と去勢肥育牛3頭の計7頭が1組として出品。若雌牛の大きさや仕上がりのそろいなどの4頭の斉一性と、肥育牛の枝肉の質が総合的に審査される。
栗原さんの出品牛「ひろ」号は、若雌牛4頭のうちの1頭。全共出品を目指し「毎日水洗いとブラシがけをすることで毛色の黒さが増し、毛並みの変化を感じた」という。牛の立ち姿の調教や綱の振り方など「牛と一緒にさまざまな訓練をして臨み、何もかも初めてのことで新鮮だった」と振り返る。
入賞については「チーム一丸となり全国の舞台に立つことができた。サポートや応援してくださった方々、全員で獲得できた入賞だと思っている」と話す。一方で、「自分自身の畜産経験や訓練の足りなさを感じた」と言い、「日々の飼養を共進会に向けた訓練だと思って、より真剣に取り組まなければならない」と背筋を正す。
「牛飼いとしてさまざまな知識をより深く習得し、質の良い和牛生産に取り組んでいきたい。そして、5年後の北海道大会にもチャレンジしたい」と先を見据える。(浅野和)