農業共済新聞記事バックナンバー

「第61回仙台牛枝肉共進会で栄冠」

【大郷町】「牛飼いなら誰もが目指す賞を受賞できて本当にうれしい」と話す大郷町土手崎の千葉正さん(63)。昨年11月に開催された農林水産祭参加第61回仙台牛枝肉共進会に出品し、第1部でチャンピオン賞を受賞した。この牛は、令和元年東日本台風(台風19号)の被災後に導入した素牛(もとうし)だったという。千葉さんは「再建できたことに感謝している」と話している。

千葉さんは、妻・しのぶさんと息子夫婦の4人で黒毛和種140頭(うち30頭繁殖)の肥育・繁殖を手掛ける。
 宮城農学寮(現・宮城県農業大学校)を卒業後、養豚を営みながら定時制高校で学び、1985年に和牛5頭の繁殖を始め、2年後に牛舎を建て今に至る。
 「家族が交代で牛舎に一日何度も行き、牛の状態を念入りに観察することが大事だ」と千葉さんは管理に余念がない。
 今回の受賞には、格別な思いがあった。「台風19号で吉田川の堤防が決壊し、一瞬で自宅や牛舎、農作業場が水没した。手塩にかけた牛が53頭水死、緊急廃用32頭と大きな被害を受けた」と振り返る。
 被災から約1カ月後、経営再開にあたり同町内から素牛を導入。その中の1頭が今回、チャンピオン賞を受賞した。この素牛も台風19号で被災したという。
 千葉さんは「同業者、関係機関、ボランティアの皆さん、地域の協力や支援なしでは、再建できなかった。本当に感謝しかない」と話す。
 将来的には、高台に牛舎を建設する予定だ。 
 「牛飼い人生の中では、BSE(牛海綿状脳症)や飼料の高騰などいろいろな困難があったが、家族の支えや協力があり今日まで牛を飼えた」と千葉さん。「なんといっても牛に感謝」と前を向く。(堀籠)§E

ページ上部へ